キラービー

●蜂と虻
昨日、顔面を蜂に刺された奴としゃぶしゃぶを食べた。

そのときに思ったけど、蜂ってかっこいい。オレンジと黒の配色とか、目の厳つさとかがいかにも戦闘タイプを彷彿させる。羽のブンブン音も、童謡で歌ってるようなかわいさじゃない。元ヤクルトの池山のスイング並みに怖い。蜂はすべてにおいてハンターなのだ。


蜂に関する話で「虻蜂取らず」というものがある。クモの巣にかかった虻と蜂を取ろうとして両方逃がしてしまう、よくある教訓だ。もし自分がクモならどちらを取るだろうか。毒針が怖いので蜂はあきらめて虻を取るのが妥当かな。


でもよく考えたら虻ってなんだろう。


虻は一目見ただけでは蝿や蜂との見分けがつかない。虻と蜂の違いを聞かれると、まったくもって答えられる気がしない。虻の自己同一性は私たちにとって示唆的だ。

蝿と蜂の曖昧な境界線上を渡り歩く虫、虻。彼は今日も自己のアイデンティティを模索しながら空を飛んでいる。